強迫症/強迫性障害/OCD
OCD(強迫症/強迫性障害)とは
汚れや嫌なこと、縁起を気にしたり、理屈に拘ったり、手洗い・確認を繰り返す状態です。子どもから老人まで幅広く見られます。一過性ではなく、長く続くことが普通です。観念・儀式はさまざまです。同じことを繰り返し考え・行い、始めると止められないこと、生活習慣の柔軟性が失われることが共通しています。
よくある強迫観念 強迫行為・儀式
排泄物や感染症、性的、下品なものなどで不潔・嫌悪感・気持ち悪さを感じ、それが移る、広がるなどと考える
手洗い、消毒、洗濯、手袋などで汚れを封じ込める、聖域を決め、汚れた手では触らない、家族にも同じ事をさせる
自分の些細なミスが取り返しのつかない災難・罪につながる、雑念、整理整頓、順序
確認、寝る前の思い返し、呪文、家族に確認、動かない、止まる、数え直し、書き直し
強迫関連症群について
チック障害や抜毛症、皮膚むしり症、ためこみ症、社交不安症(対人/視線/赤面恐怖、あがり症)、醜形恐怖症、自己臭恐怖、病気不安症(心気症)、摂食障害も似た病気です。同じ方法で治療できます。
他の病気との合併
うつ病を合併することが良くあります。うつになると、マイナスに考えることが増える一方、長年、強迫を放置していた方の場合、強迫を治すきっかけになることがあります。発達障害(ADHDや学習障害、自閉症など)や強迫性パーソナリティー傾向と合併することがありますが、これらがあっても行動療法によって治すことができます。強迫の問題を治すことでもともとあった社会適応や性格の問題も改善しやすくなります。
統合失調症との合併は一般人口における有病率と同じです。症状では見分けがつかないときがあり、誤診されることが多々あります。経過と有効な薬が違うので治療を始めると区別は容易です。また、たとえ統合失調症があったとしても強迫症状を治すための行動療法は同じように使えます。
もっと詳しく
原井クリニックでのOCD治療の内容についてまとめた全体のパンフレットと、3DI(3日間集団集中治療)のパンフレットを用意しています。ダウンロードは自由です。
治療感想文集No.1(2020/2/8)
3日間集団集中治療に参加された患者さんの感想が掲載されています。
治療感想文集No.2(2022/1/29)
行動療法を受けられた患者さんとそのご家族の感想が掲載されています。
治療感想文集No.3(2023/1/28)
醜形恐怖症、強迫症、パニック症、アルコール依存症を行動療法で治療感想文が掲載されています。
OCDの治療についての他の資料
OCD(強迫症/強迫性障害)は症状が長く続く疾患です。症状のぶり返しを防ぐ方法について書いています。
メディア出演など
百聞は一見にしかずと 良く言います。強迫症/障害(OCD)に対する行動療法もその一つです。嫌なことを敢えて行い、残った嫌な気持ちをそのまま取り消さずに家に持ち帰り、また翌日も同じ嫌なことをするというエクスポージャーと儀式妨害(ERP)は、文字だけで読むと「とても無理、自分にはできない」と思われる方が大半でしょう。そうでなければOCDと診断できないぐらいです。一方、実際に行っている場面を見た方はまた別の印象をもつようになります。「凄い」「ここまでできたら私も治るかも」。
2005年から今まで数回以上、テレビ取材を受けています。患者さんの同意を得て強迫行為を行っている場面、治療の場面を動画で見ることができます。残念ながら不潔恐怖の方ばかりになっています。テレビ局側としては、ただじっと止まって考えているだけの確認強迫は「絵にならない」そうです。たしかに普通の視聴者ならじっと止まっている動画には付き合えず、さっさとチャンネルを変えてしまうでしょう。
2005年2月 フジテレビ スーパーニュース
毎日500回、手を洗う強迫性障害の実態
国立菊池病院での入院による治療場面
2014年4月 日本テレビ news every
なごやメンタルクリニックでの集中治療の場面
2014年5月 日本テレビ news ZERO
なごやメンタルクリニックでの集中治療の場面
2014年9月 日本テレビ「あのニュースで得する人損する人」
不潔恐怖の中年男性を取り上げている。高校時代の病気のスタートから就職先での症状悪化を役者が演じている。患者の自宅を訪問し、家での様子とERPによる治療の場面までを紹介している。
2015年4月 フジテレビ みんなのニュース
不潔恐怖の女性を取り上げ、3日間集団集中治療でどのように変わっていくかを紹介している。